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「さ、理彩、着いたぞ」
頭の中はこれから起こるであろう出会いのことでいっぱいで、周りの景色なんて見えていなかった。
だからちゃんと見たとたん、思いっきり叫んでしまった。
「あーっ! 遊園地だっ!」
車の窓に貼りついて喜ぶあたしは、やっぱり小学生。
「はは、理彩はほんとに遊園地が好きなんだな」
「……」
恥ずかしい。
蕾斗さんとは二才しか違わないのに、この差は何?
蕾斗さんが落ち着きすぎていて、あたしが落ち着きなさすぎなのかな。
遊園地に入ると、ゴールデンウィーク真っ只中だからか、物凄い人で。
乗りたいものから順番に乗った。
「俺、遊園地なんてすっげぇ久しぶりだよ。中学の修学旅行以来かも」
「そうなの? デートで行きそうなのに」
「……前に言わなかったっけ? 俺、本気で付き合ったのは理彩だけだって。今までデートらしいデートなんてしたことねぇよ」
「そう、なの?」
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