紹介

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◇◇◇ 「理彩、ゴールデンウィークはあけとけよ?」 「え?」 ゴールデンウィークは一週間後。 こんな直前に言われても困るんだけど。 「もう予定が入っているよ」 「……」 「もっと早く言ってくれなきゃ困る。ていうか、何かあるの?」 「理彩は何の予定が入ってんだよ?」 眉間に皺を寄せて、不機嫌オーラ全開だし。 「温泉に行くんだ、美波と」 「……キャンセルしろ」 「は?」 今、なんて言った? 「なんか『キャンセルしろ』って聞こえたんだけど」 「当たり前だろ? そう言ったんだから」 「……キャンセルはしないよ。ずっと前から予定をたてていたんだもん。予約とるのも大変だったんだから!」 「……」 「あっ、そろそろごはん作るね」 少し早いけれど、この空気から抜け出したくてキッチンへ逃げ込んだ。 けれど、蕾斗さんが何の予定を立てているのかくらい、聞いてからの方が良かったかな。
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