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野菜をトントンと切っていると、
「理彩、いつ?」
蕾斗さんもキッチンにやって来て、横から顔を覗き込みながら訊いてきた。
「え、何が?」
「美波ちゃんとの温泉」
「一日と二日だけど?」
「……じゃあ三日以降はあけといて?」
「うん、わかった」
ヨリが戻って二週間、蕾斗さんとは以前付き合っていた頃のような関係に戻った。
あの頃と少し違うのは、あたしがほぼ毎日のように蕾斗さんのアパートに入り浸っていること。
同棲しているようなものなのかもしれない。
あたしの背中を押してくれた篤史くんとは、あれから会っていない。
あっでも、一度食堂で見かけた。
篤史くんがあたしに気付いていたかどうかはわからないけれど。
美波には『ありがとう』って伝えた。
美波がお節介やいて、一樹さんに嫌がらせのことを話したから今があるんだもんね。
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