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「俺、大学を卒業した後は親父の会社に入って、いずれは継ぐんだ」
親父の会社?
え……
えっ?
えぇっ!?
「お、お、お父さんの会社!?」
ちょっ、ちょっと待って!
蕾斗さんのお父さんって……社長さん!?
てことは、蕾斗さんってお坊ちゃんなの!?
あたしなんか全然釣り合わないじゃん!
なんか、一気に行きたくなくなった。
「理彩、どうした?」
「……どうしても行かなきゃならないの?」
「は?」
「あたし、平凡な子だよ? そこら辺にいる普通の子だよ?」
「何が言いてぇのかわかんねぇ」
言われてみれば、蕾斗さんってそういうオーラもある。
俺に任せろ……
だとか、
俺についてこい……
的な、オーラ。
「お父さんの会社の後継ぎってこと、だよね?」
「まあな。つか、なんか堅苦しい言い方だな」
そう言って苦笑する蕾斗さんを見ていると、ひとつ疑問がわいてきた。
「取引会社のご令嬢とお見合いとかって、ないの?」
「……ぷはっ! 理彩、おまえおもしれぇー!」
超ウケているし。
あたし、結構真剣なのに。
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