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春休み明けの学校は、とてもだるい。
授業なんて、ほとんど頭に入って来ない。
ぐだぐだのまま、一日を過ごし、帰宅時間。
「晶ぁ、帰ろ。」
「うん。」
同じ方向のわたし達。恵は自転車、わたしは歩いて帰る。
「さっき、聞いたんだけどさぁ。真紀に。」
「うん。」
真紀とは、噂好きの女子。あいつは、何でも知っている。
「智と、誠先輩、付き合ったらしいよ。ほら、卒業式で、智、大泣きしてたじゃない。
誠先輩がいなくなっちゃうからって。…そしたら、第二ボタンもらって、付き合いだしたんだって。」
「へぇー。」
ああ、そういえば、智、先輩の事、大好きだったもんな。
「で、キスしたんだってー。」
「へぇー、キスかぁ。」
性に目覚め始めるお年頃。
…でも、わたしにとっては、イマイチ、ピンとこない話だった。
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