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新しい教室。見慣れた顔と、見慣れぬ顔ぶれ。
「…あれ、去年、一組だったよねぇ。」
「…良かったぁ、今年は、一緒になれたぁ。」
「…あれ、○○ちゃんって、何組だっけ?」
ガヤガヤとした雰囲気の中、わたしと貴志は、並んで席に着く。
「さ」から始まる苗字のわたし達は、去年と同様、同じ出席番号だった。
キーンコーン、カーンコーン、キーンコーンカーンコーン。
始業ベルが鳴る。
ガラッ。
「おはよう!お前達の担任になった南山だ。」
いつもながら、元気が良い先生。
声がデカい。
「今年は三年生だからな。受験だ、なんだって、バタバタすると思うけど、みんなで、一丸となって、頑張って行こうな!」
熱血教師というのは、こういう人のことをいうのだろう。
「ほら、『はーい。』は?」
耳に手をかざす仕草をする。まあ、これも南山先生の定番だ。
『は~い。』
『はーい。』
去年まで、先生のクラスだった子は、「またか。」といった感じで返事をし、今年からの子は、勢い良く返事をした。
勿論、わたしと貴志は、前者だ。
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