入学式

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―――え?貴志?? 妄想しといて、頭をぶんぶん振る。 ―――い、いや、貴志って。 ただの友達だし。 誰もいない部屋を、キョロキョロっと見渡す。 「ありえないし。」 ぼそっと独り言を吐く。 心臓が、ドキドキしている。 なんだか、顔も赤くなってきている様な気がする。 ―――つうか、貴志となんて、する訳無いし。 また、貴志の顔が浮かぶ。 心臓の動悸はまだ、治まらない。 ―――友達だし。 朝掴んだ、彼の肩の感触を思い出す。 筋肉質の骨ばった肩。 でも。 妄想の中の貴志の唇は、やわらかかった。 どきん。 心臓が大きく鼓動を打った。
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