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「仙台かぁ。なかなか、遠いね。」
「うん。仕事も忙しくて、そっちに帰ることも無かったけど。でも、さっき、家から電話が来てさ、同窓会のこと聞いたんだ。
で、お前んちに電話したところだよ。」
真っ先に、電話くれたんだ。なんか、そう思うと、嬉しい。
ん?でも、なんで、うちの番号知ってるんだろう?
「え?うちの番号、調べたの?」
「いや。お前んちの番号は、暗記してたんだよ。」
どきん。
胸が大きく脈打つ。
―――もしかして…。
貴志の話は続く。
「ほら、お前んちに、しょっちゅう、電話かけていたからさ。
しかも、お前んちの番号、語呂がいいから、なんとなく覚えていたんだよ。
かけてみたら、大当たりって訳さ。」
どうだ!!っと言わんばかりの態度が、受話器越しに伝わってくる。
「すごいね。その記憶力が、勉強に生かせれば良かったのにね。」
ドキドキしていることが伝わらない様に、憎まれ口を叩き、笑うわたし。
こうやって、話していると、昔に戻る。
「ったく、晶は、変わってないなぁ。」
貴志が、あの頃と同じ様に、ワハハと笑った。
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