私のクセ

2/5
前へ
/32ページ
次へ
少し面白おかしく色をつけて話せば、 母は喜んでくれるし、 笑ってくれる、 それに、会話が続く時間も長くなる。 それはつまり、沈黙の時間が短くなるということだ。 それに少しばかりの後ろめたさや違和感を 感じながらではあるのだけれど、 「決して全部が嘘ではないし、 ただちょっとだけ装飾をつけているだけだから」 という都合のいい弁明で自分を庇いながら、 私にとっては大事である、 「それよりも母と楽しく話せること」を ついつい優先させてしまうのであった。 「母が笑ってくれること、私といて楽しそうにしてくれること」 私はそれを求めて止まない。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加