第1章    疑心暗鬼

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母からの返事、たったそのひと言に ものすごい緊張をする私がいる。 「一緒に買い物行かないっ!?、行こうよ」って、 こんな言葉を投げかけるにもかなりの勇気が要るのだが、 その返事を待つのもかなりのドキドキを伴う。 「私と行くのは嫌なのかな、行きたくないのかな」 「私とよりも今日子と行きたいんだろうな、 その方が楽しいんだろうな、 その方がいいのになって思っているんだろうな」 「きっと、行きたくないんだろうな、 それで言い訳考えているんだろうな」 たった数秒の間に、私はここまで考えてしまうのである。 怖さとものすごい遠慮の気持ちが瞬く間に膨れ上がってくる。 そんな被害妄想とも言えるようなことばかりが 私の中を巡って、掻き乱す。
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