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それにもし母が本当にその日は予定があって、
「今日は他に用事があるからダメなの」
と言ってきたとしても、それも疑ってしまうのである。
本当は私と行きたくないからそう言ってるんじゃないんだろうか
と勘繰ってしまう。
あるいは、「今日は今日子と会う予定があるから私の誘いを
受けられないのではないか」
そんなことまで想像してしまう。
そして、本当のところはどうなのかはわからないので
モヤモヤしたものが残ってしまう。
家族の中にいて、私は本当のことを知らない。
家族の中にいるのに、私は本当のことを知れないのである。
それが私という人間の大下家の中での立ち位置である。
こうして、こんな自分の性格も嫌でたまらないので、
いつしか私は母を誘わない、
誘えないようになっていた。
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