第1章    疑心暗鬼

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私は家族の中にいて、目の上のたんこぶ的な 邪魔でうるさい存在だったのである。 それを十分に感じて家族の中で居場所がないという しんどさに耐えられなくなりそうになることもあったが、 それを凌がせてくれたのは 夫であり、薫をはじめとする友達だった。 私は自分の考え方の否定の否定を 家族以外の人との中で 可能なのであった。 ただ、夫や友達と話していると 「自分は間違ってはいないんだ、 私は私でいていいんだ」と安心できる一方、 やはりその虚しさや情けなさもまた 確実に芽生えてくるという矛盾の中に私はいる。
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