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…確かに、この声には聞き覚えがあった…
それは、私がちょうど目の前の少女と同い年くらいの、まだ幼かった頃、確かによく聞いていた、懐かしい声だった。
自然と、恐怖はいつの間にか消え、一生懸命彼女のことを思い出そうとする。
しかし、どうしても思い出せない。思い出すのは、さっきよりも強い恐怖と、何故だか、とてつもなく悲しい気持ちであった。
ふと眼からこぼれ落ちたのは、大粒の涙だった。
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