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学校が終わると、私は軽く肩を鳴らしながら校門を出た。
新入生代表の挨拶だ。
成績に関しては誰にも負けないように常に努力をしてきた。
人付き合いがない分、時間をもてあましている。
年季の入った携帯のメモ帳に、日記や小説を書くこと。
音楽を聞くこと。
勉強すること。
本を読むこと。
それが私の趣味だ。
時計を見ると、まだ11時を回ったばかりだった。
同じクラスの奴らは、部活見学に向かうらしい。
入学する前から帰宅部を決めていたので、私は暇になったのだ。
大抵こう言う日は家に帰り、趣味に没頭すると相場が決まっている。
けれど、丁度自作の小説は詰まっていた。
本を読むにも手持ちはどれも読んでしまったし、図書館も今日はあいていない。
勉強もなんだか気が向かない。
音楽も先程まで聞いていたせいか、軽く耳が痛い。
「あっ…」
帰り道。
これからの予定を考えていて。
ふと電光掲示板に目を走らせる。
4月10日
「そっか…今日だったか。」
嫌なことを思い出した。
いや。
元々忘れてなどいない。
忘れようとしただけだ。
今は。
私しか覚えてあげられないから。
忘れてはいけないと。
潜在的に覚えていたのかもしれない。
「…命日」
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