0人が本棚に入れています
本棚に追加
日本という人種の人間は、肌は黄色で、Tシャツに短パンというラフな出で立ち(そのセットが一番安価で済むのだ)である。
四つん這いになり、口をだらしなく開けて涎を垂らし、瞳孔を開いたままロボットたちの会話をじっと眺めている。
首には普段は見えないが、首輪がはめられ、ロボット自身が首輪に信号を送り、意のままに操る。
もし逃亡しても、電流で気絶させることが可能なので、簡単に捕獲することが出来るのである。
「え~、色々な人種がおり、ますます広がりを見せる人間ブームですが、問題点も指摘されていま~ス」
画面が切り替わり、専門家が写し出される。もちろんロボットである。
「近頃は人間を虐待するロボットも少なくありませン。先日、世間を賑わせた虐待事件は皆様もご存じのことでしょウ。なにせ、二百余名もの人名が失われたのですからネ」
ニュースによれば、そのロボットは数日後には釈放された模様。
犬や猫は殺せば裁かれるのに、人間を殺して罰するという法律が、未だに存在していないからである…。
最初のコメントを投稿しよう!