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振り返るとミツキさんだった。
「忘れてた!連絡先聞くの」
「えっ?連絡先?」
「あっダメだった?」
「あ、いや、ダメとかじゃないですけど、その為にわざわざ?」
知りたかったらお兄ちゃんに聞いてくれても良かったのにとか思いながら、携帯を取り出したミツキさんに倣って私もポケットから携帯を取り出し連絡先を交換した。
「ありがと!メールしていい?」
「はい」
「実可子ちゃんもメールして」
「んー、はい」
「えー……」
二人でケラケラ笑っていると、お兄ちゃんが窓から顔を出して声を張り上げる。
「バスのじかーん!」
「あっヤバい!じゃあ私行きます」
大きく手を振って、今度はバス停まで走った。
角を曲がる際、もう一度振り返ると三人が手を振ってくれて、心の中でバイバイと言ってから手を振り返して再び走った。
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