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「何ニヤニヤしてんのお前」
手元に影ができて顔を上げると
、私の前の席で後ろ向きに座った瀬戸が私の携帯を覗き込んでいた。
「ちょっと見ないでよ」
さっと携帯を隠したもののばっちり見られてたみたいで驚いた顔をされる。
「今のってミツキ?何でそんな写真もってんの?」
「別に何でもいいでしょ」
瀬戸とは高校に入ってからクラスがずっと一緒でわりと仲が良いから黙っておくこともないんだけど、何となく勝手に見られたことにムカついて内緒にした。
「あー。どうせ兄貴だろ?頼んで送ってもらったんだ」
勝手に一人ごちて解決してるからわざわざ言うこともないか。
「つかお前帰んないの?」
「えっ?」
教室を見回すと私と瀬戸以外誰も教室にいなかった。
「嘘!?もう皆帰ったの?」
「とっくにな」
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