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誰もいなくなるまで気が付かないってどれだけ見いってたのよ私!
ミツキさんのことをあまり良く思っていなかったはずなのに、いつの間にかメールが送られてくるのを楽しみにしている。
「はぁ……帰ろ。てか瀬戸は何でいるの?」
「別に暇だったから」
そう言って私の机に頬杖をついて窓の方を見ている。
「ふぅん。じゃあ私帰るね」
バッグを肩に掛けてイスを仕舞うと瀬戸はまた驚いた顔をして私を見た。
「はぁ!?一人で帰る気かよ!」
「瀬戸も帰るの?じゃあ早くしてよ」
瀬戸は何やら口を尖らせてブツブツ言いながらイスから立ち上がってバッグを肩に掛けた。面倒だから相手にしないことにして廊下に出ると慌てて教室のドアを勢いよく閉めて後を追ってくる瀬戸にもの申す。
「ちょっとちゃんと閉めて。少し隙間あいてる」
勢いよく閉まったドアは反動で少しだけ戻ったみたいで隙間があいた。それを指摘するとまたブツブツ文句言ってる。
いっつもそうなんだよね。必ずドアが少しあいてるのよ、瀬戸が閉めると。
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