類の想い

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入浴前の激しい情事で中に出されたものが内腿を伝う感触に足を擦り合わせながら浴室の扉を開ける。 「俺が綺麗にしてやるから早く入れ」 俺の背中を押して浴室に入った類は、シャワーヘッドを掴むと湯を出して俺に掛け始める。 「自分でやるからいいって」 「奥までは届きにくいだろ、いいから俺がしてやる」 「今日はもうしないからな!」 分かってると言って俺の中へと指を入れ掻き出すように中で蠢かせる。その指が敏感なところへ当たる度に俺の体は反応してしまう。 「あっ、そこ触るなって……んんっ」 「このしこりがあるところか?」 分かってるくせにわざと聞いてくる類の声は愉しそうに弾んでいる。 類の指に翻弄されるまま、俺はもうろくに出ない何度目かの欲望をその場で放った。
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