目撃者～the 2nd witness

なんの前触れもなく

「もしもし」

『あっ玲、今メール見たよ。玲がいいなら遠慮なく行く行く！でさ、この後ちょっとした打ち上げみたいなことするみたいでさ。
とりあえず顔だけ出したら行くから、美味しいご飯を作って待っててね』

何が美味しいご飯だよ。てかミツキが来るかどうかも分からないうちに食事の用意をしようとしていた事に今更気が付いた。

「フッ、分かった。じゃあ来るときまた連絡してくれよ」

そう言って通話を切り再び歩き出す。一応ミツキが来ることを類にメールで知らせ、直ぐに返信はこないだろうと携帯をポケットへと仕舞った。

目的のスーパーへ入ってメニューと家にある食材を頭に浮かべながら材料をカゴヘ放り、素材を吟味している姿が主夫のように見えている等思いもしないで買い物を続けた。