魔の手

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撮影が終わり、打ち上げをするからおいでと誘われた。 玲の家に行くことになってたから、顔を出したら直ぐに帰るとマネージャーに話して二人で店に向かう。 皆気が抜けたのか打ち上げ開始早々盛り上がり、僕も最初の乾杯だけ付き合った。 その後用があるからと、マネージャーと一緒に店を出てそれぞれ別れ、玲に連絡を入れて帰り道を急いだ。 ここら辺はシャッターの閉まってる店も結構あって、大通りに比べると灯りも人も少ない。 特に目を引くものがあるわけでもない夜道をただひたすら駅に向かって歩いている時だった。 バタバタと背後から足音がして振り返る。 「んんっ!!」 振り返った瞬間に見えたのは数人の男で、いきなり口を塞がれツンとした臭いが鼻をつく。 意識が遠退くのと同時に体が浮いて、そのまま僕は意識を手放した。
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