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「確か、この辺だったはずなんだけど……」
一年も前の記憶は結構曖昧で、お兄ちゃんのアパートの場所が分からない……。
確か花屋さんがある角を曲がって入っていった気がするんだけど、その花屋さんがどこにもない。
お兄ちゃんが家にいることは確認済みだけど来ることはいってないんだよねぇ。
本当はいきなり会って驚かせようと思ってたけど、連絡して迎えに来てもらった方が早そうだな。
そう思って携帯を取り出そうとしたとき声を掛けられた。
「どうしたの?どこか探してる?」
うっわぁ、おっきいサングラスなんかかけてて何かオーラ出まくりなんですけど!
「あっ、あぁえっとこの場所に行きたいんです……」
住所の書いてある紙を見せると、サングラスのお兄さんはにっこり笑って案内してくれると言う。
「ここなら良く知ってるよ。すぐそこだし、案内するからおいで」
おいでって……。そんなにっこり言われても怪しいんですけど!
そんな風に思っているのが分かったのか、お兄さんは苦笑いをしながらサングラスを外した。
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