番外編

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「玲」 スーツの上着をダイニングチェアに掛けた類に、背後から抱き締められる。 「嫌な思いをさせたな」 「ううん。もう、いいんだ。俺の方こそごめん」 前に回った類の腕に手を重ね、背中から伝わる類の体温と、ほのかに香るオーデコロンの匂いに胸が高鳴る。 「顔を見せてくれ」 身体を反転させられ類と向き合う。なんだか照れくさくて、目を合わせることができない。 「玲」 「……なんか恥ずかしい」 「ほら、ちゃんと見て」 頬を両手で包まれ上向かされる。数センチ上にある類の顔をおずおずと見上げ、俺を真っ直ぐに射抜く魅力的な瞳を見つめた。 「遅くなったけど、誕生日おめでとう。 こんな仕事をしてるから、また玲に寂しい思いをさせるだろう。だけどこれだけは覚えておいてくれ。 俺はいつだってお前のことを想ってる。どんなに醜い嫉妬やわがままだったとしても、お前の気持ちなら全て受け止めてやる。 だから、これからも俺の傍にいてくれ。俺が与えられるものなら、なんでもくれてやる。 ――愛してる、玲」
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