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いつも通り学校から帰宅し、まだ冷房の効いていないぬるい家の中を足早に歩く。
家には誰もいない。今いるのは僕だけだ。
来栖渚(くるすなぎさ)高校二年生、十七歳、男。
見てくれがあまりにも女みたいなのがコンプレックス。あとこの女声も。
小学生時代は、女男なんてあだ名をつけられてイジメられたこともある。
それからというもの、僕は友達も作らず孤独な日々を送る――はずだった。
はずだったんだが、どうも神様はそうさせたくはなかったようだ。
いつから僕の人生は変わってしまったのか。
それは紛れもなく、あの瞬間からだろう――
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