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御伽話。
むかしむかし、身寄りのなかった夫婦の元に一人の神様が降り立ちました。
神様は随分ボロボロでしたが、その手には可愛らしい赤ん坊。
神様は跪く夫婦に言いました。
『あなたたちは昔に一匹の鶴を助けて下さいましたね。あなたたちの善を信じ、この子を託します。…というか引き取って下さい、ホントにこの子には随分と…』
神様はそこまで言いかけて、ゴホンと咳払いを一つ。
『…この子は私の力を授けた不思議な子。きっとこの世界を救う救世主になりましょう…託して大丈夫ですね?』
言い切った神様は早く受け取ってくれと言わんばかりの顔で、夫婦はその勢いにつられ頷くしかありませんでした。
『…本当にありがとう。少しこの子は……気難しい…ですが、きっとあなたたちを幸せにしてくれるでしょう。あなたたちとこの子に、神のご加護を』
そうして、呆気に取られる夫婦の元に赤ん坊だけが残されたのです。
直ぐに我に返った夫婦は大層喜び、それはそれは大切に育てました。
神様のいう通り、夫婦はとても幸せでした。
その子は直ぐに大きくなり、やがて立派な神様へと成長したのでした。
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