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間違いない……こいつは間違いなく僕の妹の凛子だ。何がどうなってる?
だってこいつは、引きこもってるんじゃなかったのか?
だうたい、なんで兄である僕の顔を見てもなんの反応も無いんだ?
いや、反応はあったことはあったけど……僕の妹はあんな変態チックな喋り方じゃなかったはずだ。
きっとこれはなにか悪い幻に違いない。こいつは妹ではない、幻だ。
いつも通りに接客しよう。こいつは妹じゃない、こいつは妹じゃない。
よし、なんか落ち着いて来たぜ。
「は~いぴゅあラブナンバーワンメイドの渚ですっ! 今日も一生懸命ご主人様のお世話をさせていただきますねっ? それではご案内致しま~す」
僕の一撃必殺営業スマイルに衝撃をうけたのか、二人の少女は口元をだらしなく開けていた。
「うへへへへぇ……」
「凛子ちゃん! このメイド喫茶、ヘビロテ間違いなしですね!」
僕の身体中を舐めまわすような、ぬるい視線をどうにか潜り抜け、二人の少女を席に案内する。
この店ぴゅあラブではメイド指名制度があり、指名されたメイドは付きっきりでその指名主の接客をしなければならない。
まあ追加料金とか発生しちゃうけどね。
そして、非常に残念なことに、この二人の変態に指名されてしまった以上僕は相手しなければならないのだ。
「メニューをお持ちしました。呼び方のオーダーはどうしますかっ?」
「うちはお姉ちゃんって呼んで欲しいです!」
鼻息をふんふん鳴らしてそう言ったのは、最初に入って来た騒がしい少女であった。
「かしこまりました、お姉ちゃんっ!」
「あたしは、お兄ちゃんって呼んで欲しいかな」
おいおい、よりにもよってお兄ちゃんかよ。ただでさえ妹に似ててやりずらいってのに。
お兄ちゃんと呼べと? これはもう嫌がらせ他ならない。
「かしこまりました、お兄ちゃんっ!」
とは言っても、やるしかないよな。今日一日でこの仕事が完全に嫌いになったわ。
「それでは、ご注文が決まりましたら渚ちゃ~んって呼んでくださいねっ?」
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