第六話  心の行方

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百合子は料理を作りながら、さりげなく晃司に話を切り出す。 「晃司…、あんたさ…、アキちゃんの事好きになったんじゃないの?」 「さっすが百合子さん!鋭いっ!」 晃司はあっけらかんとして言った。 百合子の頭の中に、昔の映像が流れる。 昔も同じ様な事があった…。 純が好きだった子と晃司が付き合い始めた事があった。 その時も、今と同じ状況で百合子が晃司に聞き、晃司は隠すことなく言い放った。 その言葉を偶然聞いていた純が、晃司に殴り掛かり、喧嘩が勃発した。 百合子は思わず、店に入り口に目をやり、誰も居ない事を確認してホッとした。 また、昔の様な事が起こってしまうのだろうか…。 百合子は不安になった…。
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