第六話  心の行方

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アキはその頃、裏口から外に出て、空を見上げていた。 あの日の事が鮮明に脳裏に浮かぶ…。 『もし…、あの日の事を純くんが知ったら… 私を助けてくれた純くんを、私は裏切ってしまった…』 罪悪感がアキを襲っていた。 十分ほどで店に戻ったアキは、いつもの同じ笑顔に戻っていた。 『百合子さん、私、買い物に行って来ますね 買い物はこれだけで大丈夫ですか?』 アキは買い物リストを見ながら話していた。 「うん、それだけで大丈夫。 気をつけて行って来てね」 百合子が声を掛けると、アキは晃司を見ることもなく”行って来ます”と言って店を出た そのアキの後を晃司が追った。 「アキ!何で俺の事さけてんだよ」 晃司はそう言って、アキの腕を掴んだ。
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