第六話  心の行方

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桜田は数日後、社長の自宅を訪れていた。 社長の遺影は、とても幸せそうに微笑んでいた。 桜田はその遺影の前で、一時間ほど座り込んでいた。 「社長…、僕は社長のお陰でここまでこれたと思っています。 あの時、社長に拾われていなければ、今の僕はなかったでしょう。 社長には、感謝しきれないほど、感謝しています。 でも…、でも…、アキの事だけは…。 僕はアキを愛しています。 だから、マリエさんを愛する事はありません 社長…、あなたの病気の事を知りながら、力になれなかった事をお許し下さい」 桜田は、深く、深く、社長に頭を下げていた。 そんな桜田の姿を、マリエはじっと見つめていた。
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