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桜田は数日後、社長の自宅を訪れていた。
社長の遺影は、とても幸せそうに微笑んでいた。
桜田はその遺影の前で、一時間ほど座り込んでいた。
「社長…、僕は社長のお陰でここまでこれたと思っています。
あの時、社長に拾われていなければ、今の僕はなかったでしょう。
社長には、感謝しきれないほど、感謝しています。
でも…、でも…、アキの事だけは…。
僕はアキを愛しています。
だから、マリエさんを愛する事はありません
社長…、あなたの病気の事を知りながら、力になれなかった事をお許し下さい」
桜田は、深く、深く、社長に頭を下げていた。
そんな桜田の姿を、マリエはじっと見つめていた。
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