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きっと、痛みに耐えながら、書いていたのだろう…。
桜田はその手紙を読み始めた。
苦しみに耐えながら、この手紙を書いている社長の姿が浮かぶ…。
手紙の中には、誰にも見せなかった社長の弱さと本心が綴られていた。
”優一、ヒカリ商事は私の人生そのものだ。
全てを犠牲にして、ヒカリ商事を守って来た
だが、私の命はあとわずかだ。
もう、ヒカリ商事に戻る事は出来ない。
私が居なくなったら、優一、ヒカリ商事を頼む。
優一、辛い思いをさせて悪かった”
手紙はここで終わっていた。
桜田は知っている。
社長は誰よりも仕事を愛し、会社を愛していたことを…。
知っているからこそ、この手紙を読むのが怖かった…。
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