第六話  心の行方

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きっと、痛みに耐えながら、書いていたのだろう…。 桜田はその手紙を読み始めた。 苦しみに耐えながら、この手紙を書いている社長の姿が浮かぶ…。 手紙の中には、誰にも見せなかった社長の弱さと本心が綴られていた。 ”優一、ヒカリ商事は私の人生そのものだ。 全てを犠牲にして、ヒカリ商事を守って来た だが、私の命はあとわずかだ。 もう、ヒカリ商事に戻る事は出来ない。 私が居なくなったら、優一、ヒカリ商事を頼む。 優一、辛い思いをさせて悪かった” 手紙はここで終わっていた。 桜田は知っている。 社長は誰よりも仕事を愛し、会社を愛していたことを…。 知っているからこそ、この手紙を読むのが怖かった…。
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