第六話  心の行方

18/19
前へ
/19ページ
次へ
アキの思いをよそに、晃司は毎日店に来る様になった。 そんな晃司の行動を純が知るには時間は掛からなかった。 この日の夕方、晃司は純の元に現れた。 晃司はアキの事は何も純には言わず、店の帳簿を見ていた。 「にーちゃん…、アキとなんかあったんじゃないのか?」 純は聞かずにはいられなかった。 晃司はチラッと純の顔を見てこう言った。 「だったら何だって言うんだ」 そう一言言って、また帳簿を見始めた。 純の中に怒りがこみ上げて来る。 「アキと何があったんだ、にーちゃん」 怒りに満ちた純の顔に、昔の事を思い出す晃司。 「知りたいなら教えてやるよ。 俺、アキを抱いた」
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加