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一ノ瀬さんは、可愛い。
いい年した男の人に対して「可愛い」だなんて表現はおかしいなって自分でも思う。
でも、フロアで目が合えば必ず、ほわん、としたマシュマロのような瞳で笑いかけてくれるし、
仕事で落ち込んでいる時には「南ちゃん、ファイト!」なんてキャンディを添えた可愛らしいメモをくれたりもする。
控え目で人よりも前へ出たりすることはないけれど、求められれば皆が思わず頷いてしまうようなスマートな意見をサラリと述べる姿はとっても素敵。
歴史マニアの部長に懇願されて喫煙スペースで不定期開催される「教科書に載らない八雲的歴史見解」なんてレクチャーが好評を博しているのは社内でも有名な話。
一部の女子社員からは陰で「やっくん」なんて呼ばれて癒しのアイドル的な扱いされてる一ノ瀬さんはとにかく素敵なんだ。
社内で目立たない私なんかが気安く話し掛けられるような人じゃないのは分かってる。
みんなのアイドル。
いや、もはや神…?
(さすがに言い過ぎかな?)
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