13人が本棚に入れています
本棚に追加
後藤が対策本部…もとい会議室に到着すると、そこには先程川縁で会った水海署の宮部、その他にも数人の見慣れない人間がチラホラと席に腰を下ろしていた。
合同捜査になったのか…そう思いながら後藤は小林の隣の席へと移動する。
「後藤さん!」
後藤の姿を見た宮部が、まるで尻尾を振るかのように後藤へと近付く。
「おい、お前…水海署の誰だか知らんが…後藤さんじゃなく後藤警部補…だろ、水海署ではそういった教育されないのか?」
明らかに不機嫌な口調で小林が宮部に毒づく。
小林の発言で会議室内はシーンと静まり返った。
「別にいいじゃねぇか。階級なんて気にしねぇだろ、俺達」
「まぁそうだけどよ。違う署員に馴れ馴れしくされたくないんでね」
後藤が宮部の肩を持ったように感じた小林は、ムッとして顔を背けた。
「わりぃな、坊主。悪い奴じゃないんだが事件が事件だけにピリピリしてんだよ」
後藤はシュンとしている宮部に小声でそう言った。
小声だろうが隣にいる小林には聞こえているのだが、自分の事を思って注意をしてくれたという小林に対するせめてもの優しさからだろう。
最初のコメントを投稿しよう!