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「おいおい、礼儀がなってないのは坂西署の方じゃないのか?さ、宮部警部。坂西署の人間は野蛮ですから、こちらにお戻りください」
水海署の中年刑事が宮部に尻尾を振りながら坂西署の署員達を鼻で笑った。
若いから階級が下という訳ではない、キャリア組ならば若くても高い階級の人間はいる。
宮部はキャリア組で、後藤よりも階級が一つ上だったのだ。
「…失礼ですよ、張替警部補。悪いのは僕ですから、それに僕達は坂西署にお邪魔してるんです、これから合同捜査が始まるのに協力しないでどうするんですか」
宮部は小林に注意された事よりも、自分が所属する署の仲間が他の署で失礼な発言をした事を恥ずかしく思った。
「申し訳ありませんでした。後藤警部補、それと…」
「俺は小林だ。この年でまだ巡査部長でくすぶってる。俺も悪かったよ。すまんな」
階級が二つ上だったからではない、宮部が他のキャリアとは違うと思ったからこそ小林は謝罪した。
「いえ、指導していただけるのは有難い事です。小林巡査部長」
宮部は表情を引き締めて元いた席へと戻った。
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