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「小室署長、遅くなりますから雑談はあとにしませんか」
福田は表情を変える事なく小室にそう言って簡易的に作られた檀上に立った。
「遅くなり申し訳ない。水海署の福田だ。今回、事件の指揮を取る事となった。現段階では坂西と水海で合同にするまでもないと思うが…発見された遺体の背中に【2】という数字が見つかった事から、私は連続性のある事件に発展すると考えている。そうなった時に水海署だけでは人員が足りない為、坂西署の署員にも協力を願いたい」
威圧感のある強い口調だった。
坂西署の署員は、坂西署がまるで手伝いで捜査をするかのような言い回しに険悪な表情になる。
警視とはいえ、まだ25~26の若僧が偉そうにそんな事を言えば誰だって良い気はしない。
これだからキャリアは…ここにいる坂西署の署員は、一人を除きそう思った。
唯一、そんな事よりも他の事が気になったのは後藤だった。
遺体の背中に2という数字が見つかったという事を初めて耳にしたが、その先を考えると後藤も福田の考えと同じになるからだ。
2があるという事は1もある。
あの遺体は二番目だったのかもしれない…ただ単に犯人が気まぐれで残した数字か、もしくは2という数字はフェイクかもしれないが。
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