第1章

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そんな事を考えていたら、いつの間にか会議は終了していた。 第一発見者の証言内容や遺体の身元、死因など全てが耳に入ってこないほど集中して考えていたようだ。 部屋から退室していく署員達を眺めながら、後藤が呟く。 「連続殺人…だ」 「あの署長の言う事を真に受けるのか?」 小林が後藤に問い掛けた。 「まぁ…な。文字じゃなく数字って所が引っ掛かる」 「それで険しい顔で考え込んでたのか。俺はてっきり福田の発言に苛立ってんのかと思ったよ」 やれやれといった表情で小林が溜め息をついた。 「あんな若僧の言う事にいちいち目くじら立ててたらシワが増えるぜ」 「言えてるな」 小林は眉間に深く刻まれたシワを伸ばすように撫でて、逆の手で後藤の肩を叩いた。 「明日から帳場が立つ。今日はさっさと帰ろうぜ」 こうして二人も会議室をあとにした。 明日から本格的な捜査が始まる、家に帰れない日が続くだろう…今日ぐらいは自宅でのんびり過ごしておこうと後藤は家路を急いだ。
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