第1章

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「なるほど、確かにこんな場所で寝るのは変ですね。えぇと…お名前は」 「斉藤庄吉(さいとうしょうきち)さんです」 すかさず宮部が答える。 状況説明をしようと意気込んでいたのに空振りに終わったせいか、後藤の役に立とうと必死である。 「失礼、斉藤さんは発見してすぐに110番を?」 「えぇ、すぐしましたよ。あ…でも動揺してたから五分ぐらい経ってたかもしれないな…こんな状況、生まれて始めてだからどうしたらいいかなんてとっさに思いつかなくなりますよ」 確かに、散歩中に死体を発見するなんて想定外であろう。
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