第7章

11/29
前へ
/36ページ
次へ
暫く続いた沈黙を破ったのは彼女だった。 「話ってなんですか?」 軽蔑するようにも見える冷たい眼差しが俺を捉え、喉奥を通った温かいコーヒーさえも冷えていく感じがした。 「あ、兄貴がハワイで結婚式したから、これお土産、ハワイ限定のものなんだ」 玄関で渡しそびれたお土産を彼女に差し出した。 「ありがとうございます」 彼女は中を確認することなく、そっと自分の横にお土産を置いた。 「話は以上ですか?」 尚も、冷たい視線と言葉に変わりはない。 「あ、いや、まだある」
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

158人が本棚に入れています
本棚に追加