第7章

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「あ、れ……、随分部屋の雰囲気が変わったね」 二か月ぶりに来た彼女の部屋は、同じ部屋とは思えないくらいに変化していた。テレビやテーブルなどの家具は同じだが、配置なども全て変わっていた。 それに、以前はモノトーン系で落ち着いた雰囲気の部屋だったのに、今は暖色系のものが溢れている。 「あー、はい、模様替えしました」 カウンターキッチンの中で俺に背を向けたまま答える彼女に「そう、なんだ」と、返すのがやっとだった。 携帯を変えたことに加えて部屋まで模様替えをするなんて、何か心境の変化でもあったのだろうか。 俺の知っている小早川さんが、遠い存在になってしまったような、何とも言えない心寂しい疎外感に襲われた。
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