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あっつい、熱い!両手で風を顔に送って、深呼吸を繰り返した。
「・・・やだやだ、くっそ~!」
悪態をついて地団駄を踏む。
どうしよう、どうしよう。この湧き上がってくる喜びをどう処理したらいいのだー!
こんな経験は初めてだし、処理不可能だよ、あたしのキャパじゃ!
ああ・・・でもきっとまたすぐあの男は追いかけてくるんだろう。何と言っても同じ家の中だ。あたしはまた逃げ出したわけだし。
ああああ~・・どこに隠れよう・・・。
部屋の中を右往左往してあたしは思う存分挙動不審になる。
でもベッドしかないこの部屋に隠れる場所なんてやっぱりない。
そんなわけで、滝本が部屋をノックして入って来た時には掛け布団に包まって出来るだけ体を小さくし、ベッドの上に白くて丸いあからさまな物体をドドーンと置いているって状態になっていた。
小さく押し殺した笑い声が聞こえる。
やがて衣擦れの音がして、強引な手が隠れていた掛け布団を引っぺがし、まだ赤面中のあたしを晒す。
スプリングを軋ませて、大きくて熱い滝本の体があたしの上に降りてきた。
組み敷かれ、動きを封じられ、唇を奪われて、息が上がる。
「その内に、心も全て貰う」
あたしの耳朶を噛み舐めながら滝本が宣言する。
何も言えずにあたしはその愛撫と言葉にただ震える。
「・・・だが今だって、この体は俺のものだ」
そして彼も、言葉を放棄した。
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