‡序章‡

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†side 鈴明† 「約束だ、鈴明 必ず、私はそなたを迎えに行く」 「李翔様………」 (行かないで、と言えたらいいのに……… だって、もう二度と、この方にお会いすることはできないのだから) 「泣くな、鈴明 頼む、笑ってくれ でないと私まで…………」 「李翔様、そろそろ行きませんと」 二人の会話を遮るように、少年の従者らしき男が言った 「っ、ああ、わかった 鈴明、笑ってくれ 最後に見たそなたの顔が泣き顔なんて、私は嫌だ」 「………迎えに来てくださるのを、お待ちしております、李翔様」 「ああ、待ってい、!」 李翔と呼ばれる16歳位の少年の話を遮り、口付けをした鈴明と呼ばれる14歳位の少女 「約束の口付けです、李翔様 約束を破ったら、末代まで祟りますからね!」 「そんなことにはならないから大丈夫だ そなたこそ、浮気などするでないぞ」 「私は李翔様とは違うのでご心配には及びません」 「だから、あれは誤解だと……」 「うぉほっん」 「「………………」」 「李翔様、お早く馬にお乗り下さい」 「………ああ、すまない ではな、鈴明」 「………はい、李翔様 道中の無事、祈っております」 鈴明に笑いかけると馬に乗り、去っていく李翔と従者らしき男 それと同時に鈴明に近づく人影 「鈴明、いいのか?」 「ええ、いいの………… もう、決めたことだから」 (ごめんなさい、李翔様……… 約束、守れません もう会うことはありませんが、 李翔様の無事を祈っております ……さようなら、私の愛しい方) 「行こう、恭牙」 「鈴明………」 「鈴明は、死んだ 今日からは翡翠、それが俺の名だ」 「り、いや、わかった、翡翠」 翡翠と名乗った鈴明は、恭牙と呼んだ16歳位の少年と街の方へと去っていった
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