‡第一話‡

2/7
前へ
/24ページ
次へ
†side 翡翠(明鈴)† 「号外ー!号外ー!! ついに、李翔殿下の即位が決まったぞー!!」 「まぁ、李翔殿下が!」 「めでたいことじゃのう」 「本当ですねぇ」 「…………………」 ここは緋劉国(ひりゅうこく)の南に位置する苑州(えんしゅう) 緋劉国とは、広大な土地と資源、圧倒的な武力を有する国 そんな緋劉国の一部である苑州はそこそこ栄えている州である (李翔様、ついに即位が決まったのか どんどん、手の届かない方になっていくな…………) 「翡翠!大変だ!!」 「そんなに慌ててどうしたんだ?恭牙」 「いいから!急いできてくれ!」 「あ、ああ」 (どうしたんだ?恭牙のやつ) 鈴明が李翔と別れてから、4年の歳月がたった あれから鈴明は名を翡翠と改名し幼馴染み兼、再従兄弟の恭牙と共に義賊・黒狼(こくろう)を結成し、苑州を縄張りとする黒狼の頭として忙しい日々を送っていた ────男として ━━━━黒狼のアジト 「翡翠、これを見ろ」 「これは?」 「お前が見回りに行っている間に血狐(けっこ)から送られてきた」 「血狐から…………」 血狐とは黒狼と苑州で勢力争いをしている集団だ ┏━━━━━━━━━━━━━┓┃黒狼頭・翡翠殿      ┃┃             ┃┃貴殿と彗蓮(すいれん)の一角┃┃をかけて1ヵ月後の昼、我が┃┃血狐のアジトで一対一の勝負┃┃をしたい         ┃┃もし来なければ不戦勝とみな┃┃し彗蓮を貰い受けるのでその┃┃つもりで         ┃┃             ┃┃ 血狐頭・鵬淵(ほうえん)┃┗━━━━━━━━━━━━━┛
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加