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†side 李翔†
「………か………陛下」
「!」
「陛下」
「暢(ちょう)内官か……
どうした?」
「皇太后様がお呼びにございます」
「用件は言付かっているか?」
「いえ、お呼びするように、としか窺っておりませんゆえ……」
「そうか………わかった
皇太后様は今どちらに?」
「庭園でお茶をお飲みになっています」
「案内せよ」
「はっ」
━━━━庭園
「陛下、お呼び立てして申し訳ありません」
「いえ、お気になさらないで下さい
して、ご用件はなんでしょうか?皇太后様」
「…………今日は陛下が即位して半月になりますね」
「ええ、そうですね」
「単刀直入に申します、陛下」
「はい、なんでしょう?」
「後宮に后をお迎えください」
「……………お断りします」
「陛下!」
「皇后様、前にも申し上げましたが、私には心に決めた女人がいます
その女人以外、後宮に迎えるつもりはありません
ご用件がそれだけなら、私は失礼させていただきます」
「お待ち下さい、陛下!陛下!!」
━━━━━庭園から少し離れた所
「…………はぁ」
「陛下、よろしいのですか?」
「暢内官……………
すまない、少し一人にしてくれ」
「……………畏まりました
ご用がありましたらお呼び下さいでは、失礼いたします」
「……………………鈴明」
(お前は今、何処にいる?)
「…………会いたい」
(会ってお前を抱き締めたい)
『迎えに来てくださるのを、
お待ちしております、李翔様』
(お前が何処にいようと、必ず見つけ出す
だから────)
「待ってろ、鈴明」
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