ショック!!

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「はわわわわわっ……!」 慌てる私の姿を見て、ユータがクスクスと笑った…… だって……だって……! あのお兄さん……頭の真ん中にしか……毛がないっ……! しかも髪の色がピンクで……すごい勢いでおっ立ってるっ……! ライブハウスの前に止まっているボロボロの車には 無造作に、おびただしい数のステッカーが貼られていて…… ライブハウスの周りだけ見ると…… そこはまるで……外国の裏通りのような危険な香りがした……! 「ヘへっ……つぼみ! ビビったろ!?  サイファーはパンクメインのハコだからな……!  こんなの全然、フツーの情景だぜっ!」 驚いてユータの後ろに隠れている私に ヒサシが得意気になってそう言った…… こ、こんなのが……あたりまえ……なんだ…… やっぱり……ムリだ……私には…… アツシにどんなに誘われても…… こんな環境で……歌を歌うなんて…… ぜったい……絶対に考えられないっ……! そして臆している私に……更なる試練が待ち受ける…… 「つぼみ……ごめんな……  オープンまでメンバー以外、中に入ること……出来ないんだ……  とりあえず……リハが終わったら戻って来るから  それまで……ここで待っていて……くれないかな……?」 ――――――――!!! うっ、ウソでしょ……!? ユータの言葉に、私の頭の中は真っ白…… みんな、手にした荷物をまとめると 笑いながらライブハウスへと消えて行く…… ギャ――――――――!! 待って待ってっ……!! 「ごめんねー! つぼみっ! 後でねっ♪」 アサキちゃんの笑顔を最後に ライブハウスの入り口に取り残された私…… 恐る恐る辺りを見渡すと…… そこには……さっきのピンクのモヒカンさん…… そして……身体中にタトゥーの入ったお兄さん…… ヒ――――――――ッッ!! と、思わず涙目になって、私が慌てたその時の事だった…… …
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