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「まだ10月なのにもうこんなに飾り付けてるんだね~」
と可奈が呑気な質問をしてくるので
「もう今月の終わりなんだから当たり前だろう」
と呆れたように小路は返した。
それに一瞬ムッとした顔をした可奈が言い返そうと小路のほうに顔を向けようとしたその途中パッと顔を輝かせた。
「ふわ~すご~い」
小路が可奈の視線の先に自分のを向けるとその先には色とりどりのアクセサリー類を中心的に扱ったアンティークショップがあった。
そういえばこいつこういう細かい細工してある小物とかアクセサリーが好きだったな。
と可奈の趣味を再認識しながらボーとしていたとき急に手から熱がすり抜けていくのを感じ小路はギョッとして自分の傍らにいたはずの存在を確認しようとした。
その張本人である可奈はそのアンティークショップになぜか走って向かっていた。
あいつさっきも走ってたよな?しかもバイトの後に・・・・・どんだけ体力あんだよ
呆れ半分驚き半分でゆっくりと可奈のほうに歩いていった小路だが、可奈のほうに目線を合わせていたためか、真っ直ぐ歩いてきた少年に気付かず、ぶつかってしまった。
「あっ悪い」
「いえ。こちらこそ良く前を見ていませんでしたので、すいませんでした。」
ぺこっと少年は綺麗な笑みを浮かべながら頭を下げ、「失礼します。」と颯爽にその場を後にした。
やけに丁寧なガキだな。高校らへんか?あんくらいの時俺なら何て言ってただろうな?
少し自嘲気味に笑いながら小路は可奈のほうに向かった。
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