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授業が無い日だったから部屋の片づけをして、
久々にゆっくり過ごしていたと思う。
あっという間に日は暮れて、俺は待ち合わせ場所に向かった。
学生街を抜けて、大学の最寄り駅へ。
その前にあるビルは飲み屋が各階に入っていた。
平日は大体いつもどこかのサークルや団体が飲み会をしているのか、
夜に近づくほど騒がしくなる。
歩いても十分行ける距離だが、面倒なので自転車で来た。
人が多すぎて辿り着く目前でサドルから降りて、あとは歩いて近づいていく。
見知った顔を幾つも見つけた。
向こうも俺に気付いたのか、名前を呼ばれた。
啓人も既に居る。
男が自分を入れて5人、女子も今3人居る。
女子の顔は見たことが無かった。
「お疲れ。」
適当に挨拶する。
別に疲れてはいない。
「おー怜、お疲れお疲れ」
幹事の冬馬が笑顔で俺の目の前に来た。
「あと2人来るわ」
「ふーん、10人?」
「そうそう、5対5」
「………え、何、これ、合コンなの?」
「あれ?言ってなかった?」
冬馬はとぼけたように言い放つ。
こいつ、わざとだ。
別に合コンと知っていたら来なかった、なんて言わないが、
ただの飲み会とはまた心の持ちようが変わって来る。
啓人を見た。
「…合コンだっけ?」
「いっや、俺も飲み会って聞いてたから」
「だよなぁ」
彼もまた突然の知らせに若干そわそわしている。
「俺スウェットなんだけど」
「俺もだよ」
「こういうのマナー違反とか言われんのかな?」
「んなこと言われても、悪いのは冬馬なんだから冬馬ボコるしかねぇわ」
「だな。いっか。」
淡々と共謀を語る俺達を、被告人は苦笑いで振り向いた。
まだ集合時間にはなっていない。
どうやら残りの2人も間もなく着くそうなので、このまま外で待つことになった。
短時間ならまだ耐えられるが、夜の風は随分と冷たくなった。
肌の白い啓人の鼻はちょっと紅い。
普段はコンタクトをしている俺は今日眼鏡をかけているので、
徐々にフレーム部分が冷えていくのを皮膚越しに感じて、
室内に入ったら曇るかな、とかしょうもないことを考えていた。
「あ、来た来た。エリーこっちー」
冬馬が飛び跳ねて駅の方角へ手を振った。
どうやら女子が到着したらしい。
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