“フレンチ・フライ”

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“フレンチ・フライ”

“ポテト,プリーズ”と言ってみるが…青い瞳に、白い肌。 『はあ~?』といった顔で、見上げてくる。 『発音が悪かったのかな?』 もう一回… “ポテイト~,プリーズ” 『なに言ってるんだ、この東洋人?』 中学生だろう、お決まりの歯の矯正金具を付けた女の子。 (欧米人は、「歯並び」には神経質だ。特にキリスト教圏で「八重歯」は、吸血鬼の牙を連想させるらしく、忌み嫌われているそうだ)。 さらにもう一回“ポテイト~”と言ってみたのだが…怪訝そうな表情で、見返してくるだけ。 『ダメ? 通じない?』 “イエロー・モンキー”だと思って、見下している風でもないが…。 (チップのつかないこの手の職種…ファースト・フードの店員さんは、黒人の方や、学生のアルバイトが多い)。 『さて、こまった』 日本でもおなじみの、ハンバーガー・チェーン店。 ところは本場アメリカの西海岸だが…見なれた黄色い看板のファミレスは、中身は日本とまったく違うが、こちらバーガー屋さんのメニューは、ほぼ同じ。 頭上に掲げられたお品書に目を走らせると… 『あった! これだ!』 “フレンチ・フライ、プリーズ” 女の子はニコリともせず、こちらのオーダーを打ち込む。 『ホッ! よかった』と、胸をなで下ろすが… もうひとつ、要注意なのがコーラのサイズ。 「こんなバケツみたいなの、飲みきれないよ!」 実際、子供の“お砂場セット”のバケツより大きいくらい(?)。 下手に“Lサイズ”を頼もうものなら、そういうことになってしまう。 (21世紀になった頃、その殺人的な量に、法的規制が入るの・入らないといったことが話題になりましたが…結末までは知りませんが、お気を付け下さいませ)。
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