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ー…
「…」
「お嬢、夜空なんて見て、何してる?」
「珍しいわね、アンタから話し掛けるなんて。」
ジャラ、と両手両足を鎖手袋に包んだ男に、白髪の少女・リリスは応える。
夜空に浮かぶ月からの光は、リリスの両腕の刺青を怪しく光らせる。
「…別に、ちょっと昔の事を思い出してただけよ。」
「演武祭からずっとその調子だな、久し振りに会ったからか?上杉 龍成に。」
「…何、私がまたアイツに手を貸すと思ってんの?」
「まさか、」
男は小さな含み笑いでやり過ごす。
「…この前の魔法会総本部襲撃。どうだったの?」
「あぁ、‘‘あった”よ。それも‘‘2つとも”な?アーヴァインはウソと隠す事が下手だ。」
「‘‘2つとも”ってのは予想外だったわね、でもまぁ…これで魔法会とも手切れね、嘘を吐く輩と手を組む必要がないわ。」
「そうだな、」
2人だけの空間は、どこか神聖で不気味だ。
「…そう、やはり魔法会にあったのね、」
その瞳は、夜空を眺めたままだった。
「白と黒の…‘‘【英雄の意志】”は。」
番外の話は、ここで終わりーー…
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