24歳の墜落

4/6
前へ
/13ページ
次へ
隣に先輩が居る状態での座席で何を話していいのか分からないのが現実だ数分から数十分ごとに降りてはトラックを開いてダンボールを目的地に届けていく。それの繰り返し繰り返し。わずか2週間で感じてきた。この先に何があるのか分からない。 営業という名の新規顧客の獲得を命じられているが8時間の労働の中9時間をかけて既存の客と自販機を回っている。先輩とまともな会話は最初だけで後半は特に何も無い。正確には先輩は話している。話しているのは俺や他の同期、先輩よりか後輩の失敗談だ。もちろん勉強をしろというのが目的なんだろうが…そんな話をされても困るのが本音だ。 2ヶ月が過ぎたころ。運転も配達も俺がメインでやるようになった。車のハンドルを握る感覚やルートを間違えないかと必死でその時は随分時の流れが早く感じられていた。実働は俺の運転技術、配達技術。納品先のサインなどの書類整理などが遅れて11時間もかかっていた。 5ヶ月後。少しずつ仕事に慣れてきた。でも給料をもらい仕事にも慣れたからこそ思う。残業代は出ていない。会社の話しでは8時間で配れる内容だから払えない。タイムカードを管理する社員証は営業所に置かれていて基本的に時間に“押されていること”を確認するのが当たり前である。 その辺りから考えている。この会社は正しいことをしているのか?そもそも8時間労働と言っているのに…。 何とかやっていこうと考えているが…会社以上に社会が俺を攻撃してきた。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加