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もたもたする彼女さん。
ぞろぞろ並ぶレジの列。
「う」
にこにこ笑う店員のお姉さん。
がさがさ財布を弄りながら、小さく呻く声が聞こえた。
「ごめん、ちょこっと足りない」
誕生日なんだからご馳走させろ、なんて強気で言っていた頼もしい彼女は何処へやら。
「最後のアイスが余計だったな。別腹が優秀過ぎるせいだ」
財布を出して、彼女の払った金額と、レジに表示された数字を確認する。
「……」
あと4円。
あの日から財布に突っ込んだままのカードを、無意識に指が撫でていた。
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